辨 |
ハマボウフウ属 Glehnia(珊瑚菜 shānhúcài 屬)には、東アジア・北米に1-2種がある。
ハマボウフウ G. littoralis(珊瑚菜)
subsp. leiocarpa(G.leiocarpa) アラスカ・カナダ・USAの太平洋岸に産
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セリ科 Apiaceae(Umbelliferae;繖形(傘形) sănxíng 科)については、セリ科を見よ。 |
訓 |
「紅紫色ノ葉柄ヲ葉ヲ束ネテ魚軒ノつまトシ食フ、之レヲ菜店ニ賣ル、故ニ八百屋防風ノ名アリ。本邦往時はまおほねト稱シ、藥用ノ防風ト誤リシナリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。
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深江輔仁『本草和名』(ca.918)防風に、「和名波末須加奈、一名波末尓加奈」と。
源順『倭名類聚抄』(ca.934)防風に、「和名波万須加奈、一云波万仁加奈」と。
これらは、実はハマボウフウをさしたものか。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・琉球・臺灣・福建・浙江・江蘇・山東・河北・遼寧・朝鮮・極東ロシア(沿海地方・ハバロフスク・樺太・千島)の海岸に分布。
中国では、主に山東・遼寧・河北などで栽培。 |
誌 |
若芽を摘んで、刺身の妻などとして生食する。 |
中国では、根を北沙參(ホクサシン,bĕishāshēn,ほくしゃじん)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅰ』pp.191-193 『全國中草藥匯編 上』pp.261-262 『(修訂)中葯志 』I/378-381 ことに山東萊陽(ライヨウ.láiyáng)に産するものは、萊陽沙參の名を以て著名。 (なお、北沙參に対して南沙參と呼ぶものはツリガネニンジン)
日本では、生薬ハマボウフウは ハマボウフウの根及び根茎である(第十八改正日本薬局方)。 |
「茎をわりて膾の具に用ひ、或は酢にひたして食ふ。甚だ其香よく味よし。・・・大邑に近き所は、多く実を蒔きて作り、市町に出すべし」(宮崎安貞『農業全書』1697)。 |